かたっぽうの恋
「…どしたの?」


「あの、俺……」


どうしたんだろ、俯いちゃった

体調でも悪いのかな?



「大丈夫?」


俯いた実習生さんの顔をそっと覗き込んだ。




「……あぁ、平気。ありがと」


微笑する実習生さん。



どうしたのかな、やけに素直



……ん??





私の腰に実習生さんの腕が回っていて、抱きしめられてる?




「どういうシチュエーションですか!?」


「だって、岸本があんまり可愛い事するから」




へ!?、あ。


また変態スイッチ入ったんだ!!


「もう、ふざけないでよ」





でも、こうされると落ち着く…


いや、違う!!!!



「そ、うやって、冗談言わないでよ…」



あ…



実習生さんは腰を屈めて、私を見つめた。



まるで、恋人同士みたい…、




恋人だったら、ここでキスされたりするのかな……。







だんだん実習生さんの顔が、
私に迫ってくる…




え?、ちょっと冗談にしては


ちかい、ちかい、ちかい!


きゃ~~~~~!





「っふぬ……、」



私は、瞼(まぶた)を強く閉じた。



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