かたっぽうの恋
実習生さんとキスしちゃう!
だけど。
目を閉じた私が感じた感触は、唇にキスではなくて、両頬を摘まれる感触だった。
「ククク、面白い顔だ」
私の両頬が、ぐいぐいと実習生さんに伸ばされていた。
………なに、これ
「らにするろ!?(※なにするの!?)」
しゃ、しゃべりにくい…
「なんか触りたくなった」
「やへんか~!(※やめんか~!)」
「ぷははっ!」
笑ってんじゃないわよ!
ええいっ、離さんかいっ!
実習生さんから離れると、私はソファーの後ろに隠れた。
「二宮とこんな感じになったら、そっと目をつむるんだぞ?」
「なっ、なにがぁ!?」
ハッハハハと笑い声を響かせながら、スポーツバックを肩にかけ、実習生さんは部屋を出て行った。
にっにに、二宮くんはそんな事しないわよ!!
なんなのよ!!