かたっぽうの恋
「もう星が出てる…」
「え?、……ほんとだ」
見上げると、空はもう真っ暗で
夜空にはたくさんの星が散らばっていた。
綺麗だった。
「好きなやつの一番近くには、自分がいたいよな」
「……うん」
「そら、そうだ…」
実習生さんは、よいしょっと言って、
身体を起き上げると、
私の膝にあったハンカチを手に取り、
こぼれ落ちる涙を拭いてくれた。
「……片思いなんて、するもんじゃねーよな」
「う、うん…」
「……お前、泣いてばっかだな」
「う…うん」
「―――そんな、強くないくせに」
っ、実習生さ…?
「もう、やめちゃえよ………」
その声は囁くにしても小さくて、私の耳には聞き取れない。
目を見開いて ぼんやりと実習生さんを見つめる私に気がついた実習生さん。
「あ!!悪い。俺なに言ってん……」
「実習生さっ、涙。はなみじゅも止まらない」
互いの視線がぶつかると、涙と鼻水でひどくなった私を見て、実習生さんは笑いが込み上げるのを堪えたけど、すぐに吹き出して
「ぷっ!…、ハイよ。」
そう言って私の涙を拭ってくれる実習生さん。
「うぅ、ありがとう…」
「ばーか。涙ぐらい、いつでも拭いてやる」