かたっぽうの恋




「先生…」


「ん?、先生って俺?」


あ、間違えた…まぁいいか、



「先生、月島さんね 今日変な事言ってたの」


「変な事って?」


「二宮くんに告白すれば、二宮くんは優しいから自分の気持ちよりも月島さんの気持ちを受け止めるんだって…」



先生は肩を引いて、私と顔を見合わした。




「二宮は断らないって事か?」


「うん、二宮くんは小さい時から病弱な月島さんのそばにいたの…」


だから、二宮くんはきっと思ってるよ


月島さんを守れるのは、自分だけだって





それは、恋なのか


それとも、愛着なのか…


どちらにせよ、愛がある。



見てたらわかるもん…



今日、二宮くんは月島さんの事を妹みたいに思ってると言ってた。


それを聞いて、月島さんは傷ついていた。






もしも、私が月島さんだったら
好きな人には「オンナ」として見られたい。




「月島の中の女のプライドが、二宮に告白させた可能性は十分にあるな」


「…女の、プライド」



「どんなにおとなしい子だって、どっかには必ず強いプライドがあるんだ…」



月島さん、勇気出したんだ。
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