かたっぽうの恋
行ってこい。そう言って私の背中を押す先生。


ドアを開けると、春の夜風が吹き込んてきた。



地面についた足が震える。
どうしよ、怖くなってきた。






勇気がほしい。





私は車内に戻って、先生の腕を ぎゅっと掴んだ。



「わ!?。眞央…やっぱ告白は無理か?」




ううん、そうじゃないの…。




「――帰ってきたら、…して……」


「え?、ちゃんと聞こえな…」





わがまま、許して。







「――帰ってきたら、ぎゅってして。」





「―――え…?」

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