かたっぽうの恋

先生の腕を握る手が震える。だって断られるかもしれない。




だけど、私。



「わがままはわかってる!でも…このままじゃ」




このままじゃ、私。壊れそうで


すると先生は小さく溜め息ついた。


「―――ちょっとだけな?」


そう言って笑った。




「ほんと…?」



「う、うん。」




先生…。



「ありがとう…」





先生の腕に抱きしめられてる時ね、すごく落ち着くんだ…。



わがまま言ってごめんね?
彼女じゃないのに、ごめんね?



だけど、私 がんばるから。




「―――いってきます」








壊れそうになったら、ぎゅってして…。







そしたら、きっと大丈夫だから。


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