かたっぽうの恋
秀ちゃんからそんな事、
言うなんてびっくりした。
「どうしたの?秀ちゃん」
「…うん」
公園まで手を繋いで歩いた。
タバコ屋の前を通ると公園のすべり台が見える。
「……いつかはお互いに好きな子ができるだろ、そうしたら」
えぇ、そんなことない。
私は今も昔も秀ちゃんが好きなのに!
「秀ちゃん、好きな子いるの!?」
「え?、あ…後ろから車来てるよ」
「わわ…」
秀ちゃんと繋いだ手がひっぱられて、
車が通り過ぎるまで、秀ちゃんの後ろにいた。
大きな背中、
ずーと昔から この背中に守られてきた。
やっぱり、このままの関係がいいなぁ
ずーと、私の事を守ってくれる。
私だけのナイト。
「秀ちゃん、公園行こっか」
私が手を引いても、動かない秀ちゃん
「………」
秀ちゃんは車が走って行った方を、
ずっと見つめて、固まってる
「秀ちゃん?」
「……今の車」
秀ちゃんが低い声で呟いた。