めりーごーらんど
SIDE★晴貴
俺は、野宮 晴貴。
宮野に拓人はいないって教えた男。
本当は・・・すんげえ嘘ついてんだ・・・俺。
こうしなきゃいけないのも、ちゃんとした理由があった。
俺と拓人は従兄弟でもあり、幼馴染だった。
はっきり言っちゃえば、真逆のような俺達。
拓人は誰にでも優しくて、それを表に現す器用な奴。
俺は・・・不器用で素直になれない。
だから人がよってこない。
少し仲良くしてくれた奴も、今となりゃ知らんぷり。
でも拓人は俺に優しくしてくれた。
憧れた。
だから・・・宮野にこう言わなきゃいけなかったんだ。
「5日前くらいかな・・・」
俺は一人で呟き、5日前を思い出した。