君の隣で・・・


風があたしと真希の髪を揺らす。


「気持ちいね…」


「そうだね」


「…春の匂いがする」


「春の匂い?」


「うん…」


「そんなの分かるの?」


「あたしには分かる…」


ホント、こんな日がずっと永遠に続けばいいのに…


すると予鈴が鳴った。


真希はあたしに「後でね」って言って自分の席についた。


全員席につくと先生がHRを始めた。


このクラスにはいつも一つだけ空いてる席がある。


それはあたしの隣の席。


あたしの席は一番後ろ。


本当はクラス全員揃って33人だけど一人いないから32人。


何でその一人の人が学校に来ないのかは分からない。


あたしは最近、その一人が気になってしょうがない。


あたしが気にする事じゃないけど、


どうしても気になっちゃう。


その人が男なのか女なのか分からないけど…。








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