君の隣で・・・
あたしは両手を合わせて目をつぶり、お願いをした。
“毎日、皆が幸せで笑顔で過ごせますように…”。
あたしが願い事を済ませて顔をあげると目の前に誰かがあたしに背を向けて座ってた。
髪型からして男の人だと思う。
風が吹くたび、その男の人の黒髪がなびく。
その男の人は見覚えのある制服を着てた。
あの制服って……
あたしの学校の男子の制服…?
って事は、この男の人はあたしと同じ学校の人?
あたしがそう思ってたら男の人がこっちに振り返った。
「……」
「……」
「……」
「……」
男の人と目が合い続けて約一分。
気まずさに耐えられなくなったあたしは男の人から目を逸らした。
「その制服、もしかして月城南高等学校の人?」
男の人があたしを指差しながらそう言ってきた。
「え…そ、そうですけど…」
「やっぱり?俺も月城高なんだ」
そう言って男の人は微笑んだ。
やっぱりあたしが思った通りこの人も…。
でも…あたしこの人学校で見た記憶がない…。