君の隣で・・・


そう言うと颯くんは少し黙り込んだ後、


「俺さ、」


溜息交じりに言葉を発した。


「どうしても叶えたい夢があるんだ」


「…夢?」


「うん」


「…どんな…夢なの?」


あたしがそう聞くと颯くんは上を見上げて、


「俺の夢は学校に行く事」


そう言って微笑んだ。


その笑顔はどことなく寂しそうな笑顔だった。


「学校に行く事…って…」


「そんなの当たり前って?」


「…だって…そうでしょ…?」


「普通は学校に行くの当たり前で、そんなの夢でもなんでもないけど俺にはその当たり前の事が出来ないんだよ」


「……なん…で…?」


あたしがそう問いかけると颯くんはあたしに笑みを零した後、


「さぁ。俺にも分かんない」


そう言って空を見上げた。


…自分でも分かんないって…


どう言う意味だろう…。自分で言っといて自分で分かんないって…


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