【短編】 ほわいと
もう、付き合い始めてから3年。
出会いは、大学の旅行サークルで知り合ったという、なんとも言えない普通の出会い。
…で、俺も果帆も、もう23。
そろそろ……黒いチェストの上にある、アレの出番じゃないだろうか。
アレがチェストの上に乗っているのは、もう半年になると思う。
半年も出番が来ないなんて…
俺も相当、ヘタレだと思う。
「…諒、食べよ?」
かなり思い詰めた表情をしていたのか、不安そうに俺の顔を覗く果帆に気付いた。
「…おっ、おう」
噛んでしまったのは、果帆があまりにも近かったから。
綺麗な白い肌が目の前にあるだけで緊張してしまう。
これで23かよ、俺……
「……諒の変なの。表情コロコロ変わりすぎ」
「…ごめん」
いいんだけどさ、と言ってプリンに手を伸ばした果帆。
それを見て、俺もプリンを手に取った。