【短編】 ほわいと
「…あ、恋愛運は星5つだよ」
「…そうだな」
コイツ…わかってんの?
彼氏の前で恋愛運、星5つとか言うか?
こっちは、ドキドキさせられっぱなしなのに、果帆は俺を兄貴くらいにしか思ってないような態度。
いるのが当たり前、みたいな。
「…あー、金運は低いね。お金に気を付けてなくちゃ」
俺の視線には気付くことなく、雑誌を見続ける果帆に、少しだけ苛つくものの、果帆に悪気がないのはわかりきったことで。
「…ラッキーカラーは?」
果帆に合わせることにした。
俺が興味を示したことが嬉しいのか、鼻歌を歌いながら楽しそうに雑誌を捲る果帆。
そんな笑顔を見ていたら、さっきの苛立ちなんて消え去って。
相変わらず、俺は果帆に弱いことに気付いて、苦笑いを溢した。