【短編】 ほわいと
「ラッキーカラーは……白!」
キラキラと目を輝かせて俺を見る果帆。
「…どした?」
「ね!白いモノないかな?!」
「白いモノ…果帆の手」
俺が果帆の手を取ってニヤッと笑うと、ムッと口を尖らせて頬を膨らませる。
その仕草がたまらなくかわいい。
「そんなんじゃなくてさー、モノ!」
いや、果帆の手ほど白いモノないけど。
少なくとも俺の部屋には。
黒を基調としてまとめた家具、小物。
その家具たちの間をキョロキョロと見回す果帆。
「ねー、白!」
「……黒入ってんじゃん」
いつだったか、果帆が置いていったパンダのぬいぐるみを抱いて、不服そうに顔を歪ませる果帆。
……かわいい。