【短編】 ほわいと
「……ほら、白いモノ見つけた」
手のひらに握り締めていた箱が果帆の真っ白な手に乗る。
「……え、これ…」
果帆が、箱を開ける前に勘づいたのか、俺を見上げる。
まん丸な瞳をもっと丸くして、頬をピンクに染めて。
「…その顔は開けてからしろよ」
その俺の言葉に、果帆がゆっくりと箱を開ける。
中には……
「……これ、シルバーだし…」
果帆の白い手に映える、綺麗なシルバーの指輪。
小さなダイヤモンドが埋め込まれたソレは、俺がコツコツ貯めてきた貯金で買ったモノ。
果帆のためなら…と思って買ったのは、半年以上前。
こんなに遅くなったのは、俺の勇気の無さを表していた。