教え子との再会
そんな私は、十代の頃から、バイクのレース活動に明け暮れてきた。

コンビニのアルバイトをしながらのアマチュア貧乏レーサーで、練習は日曜日のみという充分な活動もできなかったが、それでも日々は充実していた。

モータースポーツ界のほんの片隅に過ぎなかったのだろうが、私は、
「自分はレーサーだ」
という誇りと半分夢が叶った喜びの中、日々を送っていた。

そう、残りの半分とは、プロのレーサーになることだった。

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