教え子との再会
ふっと長い髪が風になびく。

そう、彼女は、私の教え子だったのだ。

「なんだ!彩花だったのか!お前な・・・」

ふと、言葉を呑み込んだ。

確かに、旅館の娘で、ある程度は裕福な家柄だったのかも知れない。

しかし、二十代の、いやまだなったかどうかも解らないというような者が、フェラーリを乗り回すとは思えなかった。

「では、どこかの坊ちゃんと付き合っているのかも知れない」
とも思ったが、その次の瞬間、彼女が話しはじめた。

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