教え子との再会
「私、あれから中学出て、家の仕事を手伝うようになったんです。で、車の運転するようになって」
と、何か思い出すよう言葉を紡ぎ出すよう続けた。

「でね、厚木の中でも七沢って交通の便が不便だから、お客様とか送り迎えするようになったんです。それで、その内に運転が面白くなっちゃって、お客様を送った後の空の車で、帰る途中は宮が瀬の土山から上の道を飛ばすようになったんです」

そう語る彼女は、本当に楽しそうだった。

「まあ、あの辺りは、走るのに最高のコースだよな」
と、俺も思わず話しに乗ってしまう。

「いや、この仕事してからは、飛ばしてないけどな」

少し訂正を加えながら、しばらく談笑した。

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