教え子との再会
「ありがとうございます!」

それは、あの頃の、小学生の彼女からは見られなかった満面の笑顔だった。

そして、次の瞬間、私の想像だにしない言葉を耳にした。

「私、実は一ヶ月前ぐらいから最近は毎日ここにいて、先生が走りにくるのを待っていたんです」

その瞬間、私は、何か記憶の断片を掴んだ気がした。

「そうそう、あの頃、俺は何歳になろうと、ずっとサーキットを走り続けているだろうって言っていたからな」

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