卒業式。
「あなたは母と、お腹にいた私を階段から突き落とした。
そのときの怪我がきっかけで母は命を落としました。
その後の私の生活ときたら…いえ、今は関係ないことですね。
ここまでで私がこの高校へ入学した理由、先ほどまでの話の全てを皆さんに理解して頂けたことでしょう。
さて、言い忘れてましたが私は3年に上がる前、彼に襲われかけた事実があります。
…え、嘘を付くなって?
そう仰るだろうと思って証拠のビデオと音声テープをここに用意しました。
最後に。
お母さん、あなたを追い詰めた人物が今、私の目の前にいます。
彼にこの手紙の真意が伝わったでしょうか?
それでは先生、1年間ありがとうございました。
先生も私たちと一緒に他の高校に赴任される予定でしたね。
私たちと一緒に明日の見えない、未知なる世界へ旅立とうではありませんか。
…丁度、この場に警察の方もいらっしゃるようですし。ね?」
目の前で崩れ落ちた斉藤裕太先生に、私はにっこりと笑いかけた。
END