たった一つのプレゼント
壁に押さえ付けられて
身動きがとれなくなった
ニヤリと笑う宏輔は
私なんかを見ていない
カラダだけが目的
「いやぁっ!!やだ!!」
「うるせぇな」
唇と唇が重なる
その瞬間
宏輔は、どかっという音とともに
目の前で倒れていた。
「………………!!……迅…」
「だから言ったろ…
夜は出歩くなって…」
「なんでここに…」
「麻衣送ってたら
お前の事見かけて…」
「麻衣ちゃんは…!?」
「先帰っとけって
置いて来ちまったよ」
「なんで……!!ばか!?
なんで…あたしの所に…」
「お前は
ほって置けねぇんだよ」
道に倒れる宏輔を無視し
迅は私の手を強く握って
引っ張りながら歩きだした。