たった一つのプレゼント



私は足速に歩く迅に
着いていこうと必死になって
後ろを歩いた。




「ねぇ…麻衣ちゃん
 怒ってるって…」


「ん……」


「あたしのせいで
 迅を不幸にしたくない」


「………」


「ねぇ、あたしなんかいいから……」


「お前は…」




迅は急に立ち止まり
私の方へ振り返った。




「お前は家族より
 大事だと思ってるから」


「………………」





じゃあ
恋人よりも

私の方が



大事って事?




「馬鹿じゃないの……
 あたしがいたら
 迅が不幸になる…」


「馬鹿はお前だよ」



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