たった一つのプレゼント
雪が降る
それは高校合格の
発表の日
「魅麗…」
「ねぇ、迅。
あたし合格してる…」
「嘘だろ!?」
「失礼な…ほら」
「………」
私の顔を見ると
無邪気な笑顔で喜んだ。
いつもクールな迅なのに
こんなに
こんなに
喜んでくれた。
「結局俺らずっと
一緒なんだな」
「ありがとう、迅」
迅は涼しい笑顔を向けた。
夜中に街を出歩く事は
日に日に減って行った。
私なりの
青春なんてやつが
ようやく来たのかもしれない。
そう思っていた。
思っていただけ。