たった一つのプレゼント



それは


何年も前の母親の姿だった。



「お母さんも頑張るから…
 魅麗、あなたも
 夢が見つかったのなら
 今まで辛かった分…
 幸せになってほしい」


「………………。」



懐かしい

なんだか


とてもとても


懐かしい



涙が止まらない。




「あたしは…お母さんを…
 支えるから………」








何年ぶりかの
母親の笑顔を見た。



だから私も笑った。






まるでBGMが流れるように
隣の家から聴こえる
迅のギターと歌声が



綺麗に響いていた。




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