たった一つのプレゼント
「学級委員長って
大変そうだね」
いつの間にか
クラスの人は下校していて
運動部の掛け声や
吹奏楽部の奏でる音が
響いていた。
教室には
私と和泉君だけになっていた。
私の前に座ってアンケートを
書き終わるのを待つ和泉君。
「てかゴメンね、
待たせちゃって」
「いや、全然。
永野さんとなんか
こうやって話せるの
新鮮でいい」
「和泉君と二人とか
他の女の子が知ったら
怖いな~」
私達は笑い話をした。
初めてこんなに
彼と話した。
彼はとても素敵な人で
迅とは色んな意味で
真逆な人だった。
「魅麗」
アンケートを書き終わっても
なんとなく話が弾んで
放課後遅くまで残っていた。
その時
低くて少し不機嫌な声が
教室の入口からした。