たった一つのプレゼント
さっさと先を歩く迅に
私は必死でついて行く。
迅のしてくれたマフラーで
なんだか心の中まで
ほくほくした気分になった。
学校ではあまり話さないし
会う事はないけれど
事務所へ向かう日は
必ず私の教室まで
迎えに来てくれる。
そんな迅が
たまらなく好き。
「永野さん1年の時から
雰囲気変わった」
「え?」
最近よく
和泉君が話しかけてくる。
知り合ったのは
確か高校2年生で
同じクラスになってから。
「1年の頃あたしの事
知ってたの?」
「あぁ、まあね。
永野さん有名だし」
「そうなの!?」
「ほとんどが
永野さん狙いだよ」
そんな学校情報を
涼しい笑顔で話していた。