たった一つのプレゼント
知らなかった。
確かに言い寄る男は
たくさんいた。
でも私の存在が
話した事もない人でも
知られていたなんて…
「和泉くーん」
中心的存在の学級委員長
和泉君は女子に呼ばれ
男女のグループへ
吸い込まれていった。
「おい魅麗、
和泉お前の事
狙ってんじゃね?
強敵増えたわー」
「んなわけないでしょ。
話してるだけだもん」
私に必要以上に絡む男子が
そう言葉にした。
だけど
よく言われるようになった。
和泉君が私を好きだという噂
私はただの噂だと思っていた。
だけど
彼、本人にある日
言われてしまったんだ。
「永野さん…
好きなんだ、永野さんの事」
放課後の空き教室で。