たった一つのプレゼント

迷いと悲しみ




「うそっ…」


あまりの驚きに
和泉君から目が離せなくなった。




初めてだった



ちゃんとした告白が。




いつも軽い告白しか
されたことがなくて


だから
素直に嬉しくて

だから
断り方も知らなくて

傷つけたくないから
私はあわあわと
言葉を探していた。



すると

和泉君の少し冷たくて
細長い指が

私の頬をなぞった。



「…………っ…!?」




「永野さんのこと
 最初は一目惚れ程度だった。
 でもクラスが一緒になって
 いろんな表情とか見てたら
 なんか…こう…もっと
 離したくなくなった」




和泉君の綺麗な顔が
近づいてきた。

ゆっくりゆっくり

自分の唇に
彼の吐息が吹きかかる





和泉君って


硬派だけど


結構強引というか
積極的というか。



迅とは少しだけ
違うような

強引な所は
なんとなく似てるような。


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