たった一つのプレゼント
初めて彼女の歌を聞いた時
背筋がゾクッとするほど
綺麗な歌声で
こんなに気持ち良く
ベースが弾けるだなんて。
「ねぇ、迅」
迅は隣で
ギターを練習していた。
「あたし、幸せだなぁ」
「どうした?急に。」
「ううん、別に…」
「…………魅麗」
「ん?」
隣の迅を見ると
優しい表情で、迅も
こちらを見ていた。
「俺も、幸せだよ」
迅
私は絶対
あなた以外
好きになれない。
いや、
好きにならない。
「いい物あげる」
私は手持ちのバッグから
小さな袋を取り出した。