たった一つのプレゼント



初めて彼女の歌を聞いた時

背筋がゾクッとするほど
綺麗な歌声で

こんなに気持ち良く
ベースが弾けるだなんて。




「ねぇ、迅」




迅は隣で
ギターを練習していた。




「あたし、幸せだなぁ」



「どうした?急に。」



「ううん、別に…」



「…………魅麗」



「ん?」



隣の迅を見ると
優しい表情で、迅も
こちらを見ていた。




「俺も、幸せだよ」










私は絶対



あなた以外



好きになれない。



いや、



好きにならない。






「いい物あげる」





私は手持ちのバッグから
小さな袋を取り出した。






< 60 / 106 >

この作品をシェア

pagetop