たった一つのプレゼント
「開けていい?」
「うん」
迅が袋を開けて
その手の中に包まれたのは
ピック
「俺、ピックなら
いっぱい持ってんだけど…」
思い出す。
小学5年生の頃の
バレンタイン
あの頃も迅は
バレンタインでたくさん貰ったから
私からのは
いらないと言った。
また
いらないと言われるかもしれない
でも
このピックには
たくさんの想いが
詰まってるから。
「一緒に………デビューしよ。
迅はあたしに
夢を与えてくれたから。
だけどあたしは何も
迅に返す事が出来ない。
一緒にデビューして
与えてくれた夢を叶える事が
今のあたしに出来る事。」
真剣に聞いてくれた。
迅はちゃんと
私の目を見て
聞いてくれた。