たった一つのプレゼント
私は夢を与えてもらった。
それは大きすぎる
夢だったのかもしれない。
だけど今
掴める位置にいるんだ。
夢がすぐ目の前で
待っているんだ。
21歳の春
私達は
デビューを果たした。
それはまるで
想像もしていなかった世界
歓声の響き渡るライブハウスで
ドラム、ギター、ベース
そして歌声が響き渡る。
「ありがとう……」
激しく鳴り響く音に
掻き消されるように
私は呟いた。