たった一つのプレゼント
「は?誰が?」
「俺ら」
「は?」
「…………」
「え?」
「…………」
「なにっ!?」
「うるせぇな」
不機嫌そうに
だけどほんのり笑顔を向けて
またすたすたと歩きだし
マンションの入り口に
入っていくのだった。
だから私は
必死に着いていった。
入り口には
不動産屋らしき
おじさんが待っていた。
「お部屋はこちらになります」
案内されたどり着いた部屋は
まあまあ綺麗で
高級マンションに比べたら
そりゃ差がでてしまうが…
とても落ち着ける空間だった。
「新婚さんには
いいお部屋だと思いますよ」
なんて不動産屋のおじさんが
にこにこ言う。