たった一つのプレゼント



迅の存在が離れていく

もう

すでに離れている


そう思っていた。




だけど迅は
いつでも私の所に現れる




たとえ
迅に彼女がいても


頼んでもいないのに


いつだって



助けてくれる。




だから分からない。




迅は私の事を
どう思っているのか。






「ねぇ迅、あんたは幸せ?」


「何、急に」


「聞いてみただけ。
 だってあんた、顔に出さないから」


「幼なじみなのに
 わかんないんだ?
 幸せそうに見えるだろ?」


「…幸せなんだ……」





ずっと一緒にいれば
クールで感情を表に出さない迅でも
あたしならなんでも分かる。



でも


ただ


なんだか
迅の口から
聞いてみたかった。



なんでだろう。



聞いたら



嬉しいような
寂しいような



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