たった一つのプレゼント
「あたしも高校行きたいな」
「まじ?無理だろ」
「勉強教えてよ」
「本気…?」
「迅と同じ高校に行きたい。」
「………お前、
俺いないとダメだもんな」
そうやって
たまに笑顔を見せるから
寂しくても
悲しくても
辛くても
もっともっと
あなたを好きになる。
受験シーズンは
窓から窓へ
迅の部屋に転がり込んで
勉強をした。
それが楽しみで
夜遊びなんてしなかった。
迅と勉強している方が
よっぽど楽しかった。
「迅、ギター始めたの?」
「親の血は譲られるんだな」
「そっか…お父さん
ギタリストだもんね」
「いつか親父超えるから」
「へぇ~、迅にも
夢ができたんだね」