たった一つのプレゼント
夢から覚めて目を開けると
至近距離に淳平君の顔があった。
夢に見たまんま
私の頬を両手で包んで
今にも唇と唇がぶつかりそうだ。
「――――ッ淳平君!?」
私がのけ反ると
切なげな瞳のまま
私から離れた。
「そんなに迅が好き?」
「え?」
「…夢に出るぐらい
迅が好きかって。」
「……………」
「ずっと迅の名前呼んでた。」
車の窓の外は、すでに
海が広がっていた。
「思ってたより
魅麗ちゃんのこと
好きんなってたみたい。」
真っすぐに見つめられ
言葉がでてこなかった。
「一目惚れだったけど…
魅麗ちゃんの事全部
知りたくなったし……
外見とかじゃなくって、
一途で真っすぐな魅麗ちゃん
めっちゃ好きんなってた。」