たった一つのプレゼント
「………じ…ん…?」
「……………」
あの頃は同じぐらいの身長だったのに
今じゃ顔一つ分ほど
背の高い迅が私を後ろから抱きしめた。
次第に腕の力が強くなって
それと同時に
また涙が溢れてきて。
「迅、こんな優しさ
いらないよ……」
「…行くなよ。
どこにも…………」
「え?……」
「どこにも………
ずっと俺の側にいろよ。」
「……………っ…」
迅の言葉の意味が
胸に染み込んできて。
くるりと体を迅の方へ向けられると
真っすぐな、温かい眼差しで
私を見下ろしていた。