僕等の軌跡 2

「や…ですよね。ごめんなさい、私…。」

そうだよ。
こんな彼女きっと普通やだよ。

「俺が…。ごめん。かなり悔しいし、傷ついたし、そいつらにいらついてる。取っ捕まえて殺してやりたい。でも、不可抗力だった。相原さんが1番辛いの…分かるから。」

きっと先生だよ。
1番辛いの先生なんだよ。
私のせいで…。

「ごめんなさい。」

謝るしかなくて、他に言葉がでてこなくて…。

「まだ良かったって、前向きに考えよう?犬にペロッとなめられただけだって。そう思って忘れちゃおう?」

悲しく、でも優しい顔で言ってくれた先生。
また涙がでた。
私は小さく頷いた。

先生は分かってくれた。
だから私も頑張ろうって思った。

「もう…大丈夫?」
「あ、ごめんなさい。」
「ううん。言ってくれてありがとう。」

ありがとうなんて言わないで?
だって私、怒られたって仕方ないんだよ?
別れられたって仕方ないんだよ?

先生が下を向く。
どうしたんだろ…。
先生もまだ、何か言いたい事あるのかな?

「これから夏講で、終わったら次は試験だから…きっとしばらく忙しい。」
「…。はい。応援…してますからねっ。」


本当は分かってた事だけど…いざ言われると辛かった。
だけど泣かずに笑顔で見送った。
それが今、私が先生にしてあげられる事の1つだと思ったから。
きっと…頑張れるよね?


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