僕等の軌跡 2
それから約1ヶ月。
先生の試験や夏講の為、私達は連絡をとらなかった。
いつしか私と先生は、付き合って3ヶ月を迎えていた。
だけど記念日も先生に会えない。
悲しい事も嬉しい事も、1番伝えたい人に言えない。
悩みばかりが増え、あるはずの幸せか見えない。
自傷行為は以前より酷くなり、私はまたおかしくなっていった。
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「でさ…って聞いてる?」
「え、あ。ごめん、千紗。」
「千紗的、田中君は美佳の事好きだと思うの!ね、千尋?」
「でも、美佳彼氏いるしねぇ。」
「そ、そうだよっ。そんなわけないって!」
千紗と千尋は、ラグビー部のマネージャー仲間。
田中君は1つ上の先輩。
今思えば、もうあの時から田中君の事…見てたのかもしれない。
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「あ、こんにちは!!」
「…こんにちは。」
この時、不覚にもドキッてした。
私の挨拶に振り向いて、笑顔で挨拶をくれた先輩に。
「え、そんなわけ…ないよね。」
だけど私の中で、先輩の存在は確実に大きくなっていた。
先輩から挨拶してくれた。
相談にのってもらった。
"おはよう"ってメールがきた。
…"好き"って言われた。
そんな小さな事が切なくなった。
泣けてきた。
どうして?入ってこないで。
先生の事消さないで…。
先輩が悪くない事くらい分かってた。
でも私は心の中で、先輩をせめた。
増えていく手首の傷。
夜になると流れる涙。
どんどん自分がおかしくなっていくのが分かった。
私が好きなのは…誰?