僕等の軌跡 2
そしてまた1ヶ月ほど経ち、先生の試験が終わった。
私はすぐに先生に連絡した。
会いたい。先生に会いたい。
ずっと我慢してた思い。
私にしか分からない答えを、先生に求めに行った。
そして次の日、部活を休んで先生に会った。
**
「久しぶり。」
1ヶ月ぶりの先生。
髪…切った?また痩せた?
駄目だ。前の先生が、いない。
思い出せないよ。
ここ1ヶ月の話をした。
特にいつもと変わらない毎日。
先生は何か気づいたのかな?
いきなりこんな話をした。
「他の奴のとことか…行かないで。」
いつもみたいに笑ってる冗談じゃない。
結構真剣な顔に私は戸惑いを隠せなかった。
「え…。えぇ?」
「付き合う前は、他の人見ろとか言ったけど、今は…違うから。」
「大丈夫ですよ!」
大丈夫…。
私が好きなのは先生なの。
「束縛とかしたくないし、もしそいつがいいなら…うん。だけど…あー、なんか妬きそうっ。」
この時思った。
私が好きなのは、やっぱり先生だって。
とても大切な人。
先輩じゃない。
先輩は"逃げ"だったと思う。
「あのさ、一生懸命隠してるっぽいけど…分かるから。」
先生は私の右腕をさした。
あ…自傷の跡だね。
「頑張りすぎ。そんなになるまで…。もっと頼ってよ。僕はもう、ただの"先生"じゃないんだからな?」
どうして。
どうしてそんなに優しいの?
私…。
長袖着てた。
表情や仕草だけで、分かってくれたの?
「ちゃんと見てるから。俺なんてほら!まだ荷物持てるし!こんな辛くなる前に分けて?君の分の荷物も持つ。だから、少し力抜こう?」
嬉し涙でも悲し涙でもなく、なんでか涙がでた。
「先生…もう少し。もう少しだけ、一緒にいてもいいですか?」
「うん。」