僕等の軌跡 2

ねぇ先生。
相手の事をよく見てないのは、私の方だったのかもしれない。

先生はよそ見しているようで、大事な時はいつだって私をまっすぐに見てくれてた。
だけど私は…。

私が先生をしっかり見てなかったのかもしれない。
私が先生を中途半端に想っていたのかもしれない。

先生言ったよね。
"自分が私にとっていなきゃ生きてけないくらいの存在になりたい"って。
そんなの、もうとっくになっちゃってるんだよ。
私、先生がいたから今日まで来れた。
先生が生きる希望になってくれてた。

先生がいるから、私はここにいる。
先生が笑うから笑う。
先生が悲しむから悲しむ。

どうしてそんな悲しそうな顔するの?
傷ついた顔するの?

分かってる…私が原因だって。
私がなんでもなく生きる代償に、先生の笑顔や幸せか消えてる気がつする。
私、先生に笑顔や幸せをあげれた事あった?
思い…出せない。


「もう、大丈夫?」
「はい。」


ほらね、またどこか悲しそうな顔してるの。
先生…。
先生は私といない方が、幸せでいられるんじゃないだろうか。
幸せでいられるんじゃないだろうか。

どうにもならない疑問を、私は駅のホームから見えた先生の後ろ姿に呟いた。


「先生…。私といて幸せですか?」

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