僕等の軌跡 2
「そろそろ帰ろうか?」
「…もう少し…一緒にいたいです。」
たった1日でいい。
先生とお別れのない夜があれば…なんて思った。
「そうだ。ちょっと向こう見て、そのまま目閉じて。」
「え、えぇ?」
私はとりあえず、言われた通りに目を閉じた。
「絶対開けるなよ!!」
念を押す先生。
なにやらシャラシャラと音がして、先生の手が髪に触れた。
「目…開けていいぞ。」
そっと目を開けてみた。
私…何?
何も変わってないよね?
先生何したの?
「僕のとペアです。」
と、先生はパーカーの下から何かを取り出した。
「え…。」
びっくりして、マフラーが巻いてある辺りを見た。
するとそこにはネックレス。
そしてよくみると、リングがとおっていた。
それも、先生とペアになってるリング。
"junya6,21"って彫ってある。
「そんな…いいんですか?」
「普段はあまり言葉にしないけど、それが俺の気持ちだから…。」
「はい。」
先生の気持ち…ちゃんと届いたよっ。
ありがとう、先生。
「あ、千尋って子にも感謝してて。」
「…?」
すごく照れくさそうな先生。
私もね、すごく恥ずかしかった。
でもすごく嬉しかった。
後からちょっとだけ聞いた。
千尋…ありがとう。
ねぇ先生。
私、こんなに幸せでいいのかな?
今日は、今までで1番のクリスマスだよ。
隣を見れば先生がいる。
ただそれだけで、でも私にはすごい幸せなんです。
神様ありがとう。
こんなに素敵な人と出会わせてくれて。
こんなに素敵な恋をさせてくれて。
こんなに素敵な時間をくれて。