僕等の軌跡 2

「何があったか…話せる?」

思い出すと怖くなった。
私が…私じゃなかったみたいで。
なかなか言い出せなかった。
でも先生は、ずっと話を聞いてくれてた。
深夜3時。

「本当に…すいませんでした。」
「また何かあったら、すぐに頼って?」

先生…私ね、後から知ったんだ。
仕事終わったの、すごく遅かったのに…荷物も置かずに、原付きで飛んできてくれた事。

あの言葉は本当だったね。
"呼んでくれたら、どこにいてもとんでくから。"覚えてる?
本当にとんできてくれたね。
ありがとう…。

だけどやっぱり、私の問題は私の問題で…学校にはほとんど行けず、自傷を繰り返した。

自傷って何でしちゃうんだろう。
死にたいから?
人に構ってほしいから?
理由って色々あるよね。

私の場合、強くなる為の弱さなんだと思う。
"違う自分"の意思に負けて、死にたくないから。
痛いし辛い。
でもそれって、生きてるからこそ感じれる事なんだよね。
だから…生きてるんだって思える。

本当はね…分かってる。
こんな事したって仕方ない。
向き合わなきゃって。
だけど、怖かった。
その現実と向き合うのが。

お父さんは変わった。
もちろん私も、お母さんも、お兄ちゃんも皆。
何が原因とか、誰が悪いとかじゃない。
でも…お母さんの浮気。
これはお父さんにとって大きかったみたい。
もちろん、それは私にも大きかった。
そしてその後の、お父さんの自殺未遂や離婚騒動も、相当大きかった。
ううん…大きい。
今日でも約1年、続いてる。
簡単に言ってみると、こんな現実。
それぞれが辛い思いを沢山した。
でも、ちゃんと家族で向き合わなきゃいけない。

こんなくだらない毎日から、抜け出そうって思った。
今の毎日こそ、私は"生きている価値のないもの"に感じたから。
それから私の"私自身"との長い戦いが始まった。

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