僕等の軌跡 2
「私…生きちゃってる…。」
私は生きてた。
この世から消えられなかった。
「…どうしてっ?」
どうしたら消えられるの?
神様はどうして私を生かしたの?
消えたい。嫌だ。
誰か私を殺してって…そんな事まで思った。
<カシャ>
「次こそ…消えたい。もう、終わりにさせて。」
包丁を手に取った。
そして包丁の先端を、首におしあてた。
先生ごめんなさい。
私…やっぱり無理です。
生きてる意図が見出だせない。
第4の選択肢なんて、見つからない。
きっと私1人が、いなくなったところで…この世界の秩序は変わらない。
だから…っ。
「ー…っ。」
痛みが走った。
血が流れるのが分かった。
「…。」
ぐっと力を入れようとした時だった。
<~♪~♪>
「「寒いぞーっ!!」」
声を聞いた時、思わず包丁を落とした。
どうして…。
どうして先生は、そんなにも私の心に入ってくるの?
「「先生は…本当に魔法使いなんですねっ。」」
「「んなの前から言ってるだろーっ!笑」」
先生が連絡をくれてなきゃ…私きっと、今頃。
「「…?気になるんだけど。」」
先生が突然言い出した。
私は先生に全部話した。
どうしてお薬を沢山飲んだか。
そして今してた事。
今の思い。
第3の選択肢という覚悟。
「「…。厳しい事言うかもしれない。悩ませるかもしれない。追い込むかもしれない。でも、本当にそれでいいと思ってる?」」
本当にそれでいいのか…。
「「…はい。」」