僕等の軌跡 2

「…やっぱり別れましょうか。」

色んな思いが1つの言葉になってでてきた。

「はっ!?何それ?何で!?」

驚きを隠せない様子の先生。
そりゃそうなるよね…。

「もうこれ以上、先生に迷惑かけられないから。」

好きな人に、自分のせいでしんどい思いさせちゃう辛い気持ちが分かりますか?
ううん、本当は嫌われるのが…怖いだけなのかもしれない。

だってこんな迷惑な彼女、普通嫌じゃん。
もっと可愛くて、優しくて、素敵な女の人なら、他にいくらでもいるもん。

「意味分からない。おかしくないか?っていうか、そんな事したら次こそ美佳ちゃんは…。」

うん。次こそ潰れちゃうかもしれないね。
でも、それでもいいやって…思えちゃうんです。
本当馬鹿だよね…。
悲劇のヒロイン気取ってるって言われたって構わない。
次は全てを受け入れるよ。
もう、イジメられて泣いてばかりの、あの頃の私じゃないから平気だよ。

「大丈夫ですよ!先生、心配しすぎです。だから時間を置きましょう?私が元気になって、先生に余裕ができて…その時お互いがまだ好きなら、次は楽しい恋愛しましょう?」

"ただ好きだから一緒にいたい""分からない未来より今を大切にしたい"…。
あの頃の馬鹿みたく、真っすぐな私はどこにいっちゃったんだろう。

「…そんな最悪な結果認めない。考え直しなさい。」

また少しきつい口調。
そこまでは分かるの。
でも、その奥に何があるのか…分かれないの。

人間だから仕方ない?
それでまとめなきゃいけないの?
分かろうとしちゃいけないの?

ただ皆で笑っていたいの。
ただ皆で幸せでいたいの。
誰かが笑う為には、誰かが泣かなくちゃいけないんですか?
誰かが幸せでいる為には、誰かが不幸でいなきゃいけないんですか?
誰か教えて下さい。

誰も悲しくなくて、でも皆が笑っていられる方法…。
誰も不幸じゃなくて、でも皆が幸せな方法…。

私はあるって信じたい。

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