僕等の軌跡 2

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「…で、話って何だ?あ、頭悪くなったとか?笑。」
「ちっ、違います!今日は本当に、真剣に…。」

沢山先生なら、この疑問の答え…教えてくれるかもって思った。

「卒業してから…色々ありました。」

私が塾を卒業してから、今日までの話をした。
沢山先生の目を見て話す事はできなかった。
ときどき言葉がつまった。
だけど沢山先生は、せかす事なくじっと私を見て、静かに話を聞いてくれた。

「…そんな中、私がとても信頼してる人が、助けてくれたんです。」
「信頼してる人…。吉村か?」
「陽菜もだけど、陽菜じゃなくて…。」

中川先生ごめんなさい。
でも沢山先生なら、きっと分かってくれる。

「中川先生です。私、中川先生と付き合わせてもらってます。」
「え!?絢哉と!!?」

大声をだした先生に、私は慌ててシーッと合図をする。

「え、俺の元教え子と絢哉が…。まじ!?…衝撃だなぁ。」
「反対…ですか?」

すると沢山先生は"まさか!"って笑って…。

「大丈夫だろー?いやでも、本当ネタだなぁ!結婚式は呼べよなぁ!」

笑いがとまらない沢山先生。
意外な反応に、私はただ呆然としていた。

「ってそうじゃなくて!先生とも色々あって…。」

...

「誰かが笑う為には、誰かが泣かなきゃ…駄目なんでしょうか?私と先生…別れた方がいいんでしょうか?」
「俺は…お前らなら大丈夫だと思うけどな。」

沢山先生は即答した。

「俺はお前らは、お互いがお互いを必要としてると思うし…相原と絢哉なら、上手くやってけるって思うけど?」
「私にとって先生は必要な人です。でも…。」

言いかけたところに、沢山先生が入ってきた。

「それは絢哉がそう言ったのか?」

でも"中川先生にとって私は必要じゃない"。
まるで方程式のように、そう思っていた。

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