空界と悪魔と契約者と
「大丈夫かリナ?」
リナは気づいたように目をあけた。
「ゆ・・悠?どうしたのその力・・?」
「俺にもわからない。けど風がわかるんだ。自分の手足みたいだ。」
リナはびっくりしたように、
「そんな・・ありえない・・。風すべてが武器だなんて・。悠は異能者だったんだね・・。」
「異能者?」
「うん。普通の契約者は空界人から受け取った武器が変化して、それを使うだけなの・・。けどものすごく少ないけど、異能者っていう契約者がいるの・・。まさか悠がそうだなんて・・・。」
「なるほどな。まぁまた家に帰ったら詳しく話してくれ。」
悠はトップ・ゴースの方を向く。
「おい悪魔。お前はリナを傷つけた。悪いがお前に同情の余地はない。ここで倒させてもらう。」
トップ・ゴースは切り裂かれた体を近くにいた黒い犬を使って回復させた。そして
「ふん・・。まさか異能者だったとはな。しかしそれがなんだ?お前はつい最近契約者になったばかりだろう!そんなやつにこのトップ・ゴースを倒せるかぁっ!」
トップ・ゴースはこちらに向かってきた。しかしその顔に余裕はない。
「悪いな悪魔。お前がどんだけ強いかはわからない。さっきまでの俺ならすぐ殺されただろう。だけどな、今の俺はさっきまでの俺とは違う!」
悠は続ける
「まだ少ししか経ってねぇけどよ。俺は、わかったんだよ。リナには知らない間に契約されちまって、まだわからない事ばかりだけどよ。俺は絶対約束だけは守るんだ」
トップ・ゴースは歯を食いしばりながら、
「何が約束だ!わけのわからない事ばかり言いよって!お前達はここで、このトップ・ゴースが倒す!」
トップ・ゴースは何かをボルトチェーンから放った。歯車が周り雷撃のようなものが飛んでくる。しかし悠には届かない。悠は無数の見えない風を使い、それを防いだ。
悠は風の力を使いトップ・ゴースを風の刃で囲む。勝負はもうついていた。無数の風の刃がトップ・ゴースに襲いかかる。
「この私がっ!この私がこんなところでぇぇっ!」
無数の刃を食らったトップ・ゴースは、黒い犬と同じように、光の粒になって消えた。
悠はそれを見てつぶやく。
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