空界と悪魔と契約者と
バンッ！という音がした。玄関の扉が勢いよく開いた音だ。
「リナッ！居るか！？」
悠は急いでリナがいつもいる和室へと向かった。ふすまを開けて、中に入るといつものようにリナがコタツから体を半分だした状態で居た。リナは、コタツがとても気に入っている。
「悠？どうしたの？」
リナは目を丸めてこっちをみていた。いきなりの出来事に頭が、ついて行っていないようだ。
「なんか黒い犬に襲われたんだ！あれが悪魔ってやつなのか！？」
リナは、あ〜さっきのかと言った。
「知ってたのか？」
「うん。気配でわかった。」
「何できてくれないんだよ。リナが居ないと俺は戦えないんだろ？」
「だって悪魔じゃなかったし。あれは悪魔の人形みたいな物だよ。あれくらいなら死んで悪魔とかが、見えるようになった悠なら素手で倒せるから。ただでさえ悠の魂は強いんだよ。あんな人形じゃ悠は殺せないし。」
当然というような顔でリナは答えた。自覚はしていないが、悠は、かなり強いらしい。悠はたずねた。
「悪魔の人形だっけ？あれは悪魔じゃないのか？」
う〜んとリナは考えて、
「まぁ自動で相手を攻撃するラジコンみたいなものだよ。悪魔だけがつかえるラジコンみたいな感じかな」
そうか。と悠は答えた。一つ悠は気になった。
「俺を殺せないってどう言うことだ？」
「え〜っとねぇ。悠を殺すにはそれなりに大きな悪魔の力がいるの。けど人形にはその力はないし、悠の体はすぐ回復しちゃうでしょ？なら悠を殺すには悠を動けなくしなきゃいけないから。」
リナが言っているのは、悠を殺すには悠を捕らえる事が必要らしい。人形ごときには無理だという事だ。
「まぁ悪魔が直接目の前に現れない限り、悠は大丈夫だよ。それより、買い物にいこう。もう冷蔵庫の中身がほとんどないよ？」
悠はとりあえず安心した。自分は悪魔が直接来ない限り、大丈夫だと知ったからだ。
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表紙・目次

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