魔道師と暗殺者

「うるさいですって?あなたはいつだって、そうやって・・・。」


「なら、お前に分かるのかよ?髪の毛一本、血の一滴まで気が抜けない生活が?」


 魔道師は、名前を知ればその相手を呪い殺すことが出来る。


 髪の毛や血液を手に入れれば、相手の素性を探ることが・・・万が一相手の臓器を手に入れようものなら、相手ソックリの人形を作り、意のままに操ることが出来る。


 つまり・・・魔道師は髪の毛一本でも手に入れれば、相手を呪い殺すことが出来るのだ。


 呪い人魔道師・・・。


 とても、姉が見ているようなアニメの魔法少女とは、程遠い存在・・・。


『あなた魔法使い?』


 ふと、今日の放課後、憧れの女性に言われた言葉が思い出される。


 ・・・・・・・・魔法使いだよ。


 だから・・・その正体をバラすワケには行かないんだ。



「だからって、両親を見捨てる気?」


「お前には関係ないだろう。」


 言い過ぎた・・・と思ったのは、口にしてから・・・。


 姉が立ち上がり、自分の元に歩み寄る。


 そして・・・。


「!」


 それは、本当に胸にしみる平手打ち。


 なぜ叩かれたかなんて、考えるまでもない・・・。


< 11 / 163 >

この作品をシェア

pagetop