魔道師と暗殺者
「うるさいですって?あなたはいつだって、そうやって・・・。」
「なら、お前に分かるのかよ?髪の毛一本、血の一滴まで気が抜けない生活が?」
魔道師は、名前を知ればその相手を呪い殺すことが出来る。
髪の毛や血液を手に入れれば、相手の素性を探ることが・・・万が一相手の臓器を手に入れようものなら、相手ソックリの人形を作り、意のままに操ることが出来る。
つまり・・・魔道師は髪の毛一本でも手に入れれば、相手を呪い殺すことが出来るのだ。
呪い人魔道師・・・。
とても、姉が見ているようなアニメの魔法少女とは、程遠い存在・・・。
『あなた魔法使い?』
ふと、今日の放課後、憧れの女性に言われた言葉が思い出される。
・・・・・・・・魔法使いだよ。
だから・・・その正体をバラすワケには行かないんだ。
「だからって、両親を見捨てる気?」
「お前には関係ないだろう。」
言い過ぎた・・・と思ったのは、口にしてから・・・。
姉が立ち上がり、自分の元に歩み寄る。
そして・・・。
「!」
それは、本当に胸にしみる平手打ち。
なぜ叩かれたかなんて、考えるまでもない・・・。