魔道師と暗殺者
「先咲さん・・・?」
「良いから、帰って!早く!」
泣き叫ぶような先咲さんの声。
「大丈夫、俺に任せておけば・・・。」
「違うの!マスターは・・・。」
そこまで先咲さんが口にした瞬間。
「!」
銃弾が耳に響く。
瞬間、由良の左肩に穴があく。
「甘いよ、アサシン君。」
顔を向けると、そこには、先ほど拳銃で撃ちぬいたはずの黒フードの男の姿が・・・。
「お前・・・。」
由良が睨みつけるが、男はソレぐらいではひるまない。
「君は、すごいな。まるで軍隊だ。とても、良い素材となってくれるだろうな・・・。」
「貴様、なんで・・・。」
「マスターは不老不死なのよ・・・。」
答えたのは、目の前の男ではなく、先咲さんだった。
「不老・・・不死だと・・・?」
「そういうことだよ。観念したまえ。君に勝ち目はないよ。」
男は、不適な笑みをますます深くすると、ゆっくりと、由良に近付いて行った。