魔道師と暗殺者
「まぁ、聞きたまえ。この国で魔道師をやっていくというのは因果なことでね・・・。普段は数人でやる魔法も、この国では一人でやらなくてはならない。」
こいつは、何を言っている?
その口からつぶして欲しいのか?
「そうなってくると、どうしても生贄という野蛮な方法をとらなくてはならないのだよ。しかし、私とて、さすがに何人もの犠牲者を出すのは、忍びない。そこで君に白羽の矢が立ったわけだ。」
「何を言っている?」
「分からないか?何人もの凡人の生贄より、一人の天才の魂の方が、より高度な魔法を使うに適しているということが・・・君は選ばれたのだよ。この私に・・・光栄なことだと思わないか?」
正気か?こいつ?
「そんな言葉を聞いて、俺がおとなしくなると思っているのか?」
だとしたら、こいつは完全に狂っている。
不老不死だかなんだか知らないが、由良から見たら完全に狂人以外の何者でもない。